電工ドラムの発熱について

コードリール(電工ドラム)は、巻いたまま使用すると発熱し、電線の絶縁物の劣化や熱損事故に繋がることは皆さんもご承知の事だと思います。 発熱の原因は電熱器と同じように、電線に電流を流すと電線の抵抗や接続される電気機器の抵抗により電線の温度が高められるからです。 又、コードリール(電工ドラム)のように電線が接続され巻き取られていると熱の発散が妨げられ温度上昇がさらに進みます。したがって電線の絶縁物に許容される温度上昇の限度が定められています。

〔600Vビニール絶縁電線(VCT)=60ºC〕

尚、温度上昇は電流(使用する電力量)が大きくなれば比例し増加します。 〔注:下記表参照〕 ですから電線に安全な電気を流すためには安全電流(定格電流)の設定が必要となります。コードリール(電工ドラム)の場合は法律(電気安全法)で定められた試験方法により設定されています。 CKレンタルのコードリール(100V電工ドラム)の定格電流は15Aです。この定格電流の表示はコードリール(電工ドラム)本体にシールを貼付していますので確認していただくことができます。

〔注: 定格=連続して使用のできる使用の上限〕

電流による発熱量は、電流の2乗で増加しますので、限度以上の電流を流すことは、危険も2乗で増加させているのです。

表:コードリールの電流と温度上昇 〔VCT:3芯×2.0mm2、室温25ºC〕

〔ケーブル(電線)を巻いた状態で使用した場合〕

(電線表面)

電流/時間 0.5h 1.0h 1.5h 2.0h 2.5h 3.0h
10A 28 33 37 44 45 46
12A 34 44 48 52 55 57
15A 45 62 72 79 84 88

(3層目)

電流/時間 0.5h 1.0h 1.5h 2.0h 2.5h 3.0h
10A 38 51 60 68 74 76
12A 46 65 77 85 94 98
15A 61 94 115 133 145 156

(巻胴内部)

電流/時間 0.5h 1.0h 1.5h 2.0h 2.5h 3.0h
10A 35 42 50 57 62 64
12A 38 53 64 72 77 83
15A 45 74 94 104 115 122
この表のように定格電流内でコードリールを使用していてもケーブルが巻いたままで使用すると内部では高温になって危険です。

これを覚えておくと便利

コードリールは全長の場合 定格電流15A使用する事が出来ますが全巻の場合は5Aの電流の電気しか流す事ができません。